不眠症って。眠れない夜が教えてくれる心と体のSOSサイン

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眠りろうと思っても眠れない。
眠れても、すぐに目が覚めてしまう。

そんなことってありませんか?
唯一リラックスできるはずの時間に眠ることができないと、とてもストレスを感じますよね。眠れない夜は、とても長く、退屈で、拷問のような時間に感じるかもしれません。

体の不調を取り除くためのベターな道は、その原因となっている要素を解決することです。あなたが不眠症の意味を正しく理解するだけで、そのほとんどを改善できるって知ってました。

じつは不眠症の症状と言われる“なかなか寝付けないこと”や、“夜中に起きてしまうこと”は、体にとって正常な反応なんです。
不眠症とはそもそも何なのか、なぜ人は眠れなくなるのか、その改善策とは?について探っていきます。

自然と眠れてスッキリと目覚める。そんな充実した毎日を過ごしましょう。

|1、眠りたいのに眠れない不眠症

そもそも不眠症とはなんでしょうか。ただ眠れないことと何が違うのでしょうか。日本睡眠学会が提示している『不眠症の定義』を確認し、実際に当てはまるかどうか確認していきましょう。

不眠症チェックリスト

下記の2つのチェックポイントがすべて当てはまると、「不眠症」と診断されます。あなは心ありますか。

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下記の中から、1つ以上の症状が「週2回以上」あり、それが「1ヵ月間」持続している。

1:なかなか眠れずに、2時間以上起きている状態がつづく
2:夜中に2回以上目が覚めてしまう
3:朝は通常よりも2時間以上早く目がさめてしまう
4:朝起きたときにぐっすり眠った感じがしない

チェック2

上記の症状が原因で、日中の疲労感・やる気の低下・集中力の低下・食欲の低下などの不調があらわれ、社会生活または職業的機能が妨げられている。

|2、400年前の歴史が教えてくれる不眠症の原因

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なぜあなたは眠れなくなってしまったのでしょうか。

じつは、先ほどご紹介した“なかなか寝付けないこと”や、“途中で目が覚めてしまうこと”は、特別な異常ではありません。その睡眠の意外な真実は、400年前に書かれた歴史が教えてくれます。

人は眠りを浅くすることで身の危険を守ってきた

5人に1人が悩んでいる不眠症は、現代病と言われています。しかし、歴史をさかのぼっていくと、いまよりも昔の人のほうが眠れない毎日をすごしていたことがわかってきました。

日本大学医学部精神医学系の内山真教授の著書「睡眠のはなし」には、このような記載があります。

「昔の人は夜間、私たち以上にストレスを感じていたことが明らかになっている。

自然の脅威にさらされていた時代、肉食獣に襲われる危険にあった時代、畑や家畜が野生動物の被害を受けることの多かった時代、盗賊が多く治安の悪かった時代、一家の主人は物音がしたらいつでもすぐに起きられる態勢でいないと、家族の生命と財産を守ることができなかった。

夜間における心配や不安は大きく、現代人よりも緊張を強いられストレスを感じていた。」

実際に400年前の歴史を見てみると、眠りについて、「落ち着かない」「かき乱された」「ぞっとするような」といった言葉が並び、十分に眠れなかったことへの愚痴でうめつくされています。

つまり、太古の人たちは“大切な何か”を守るために、そして夜の恐怖とたたかうために、つねに神経を尖らせ、眠れない夜を過ごしていたということです。

昔は当たり前だった「1日2回」の睡眠

今日では夜中に目覚めてしまうことを「不眠症」と言いますが、昔はその習慣が当たり前でした。夜中になると一度起きて、朝食の準備をしたり、散歩をしたり、トイレへいってからまた朝まで眠るという、1日を2回の睡眠に分けていたのです。

このように『第1の睡眠』と『第2の睡眠』とわけて眠ることを『多相睡眠(たそうすいみん)』といいい、昔は当然のようにおこなわれていた習慣です。
しかし、「日中に働く」という時代にはいってからは、「睡眠はまとめて取るほうが効率がいい」とされ、その頃からまとめて眠ることが常識になっていきました。

「理想の眠り」への固定概念と焦りが現代人を「眠り下手」にしていく

つまり、「まとめて7時間眠るのが健康だ」という今の常識は、むかしの睡眠にくらべて少し厳しい基準になっています。「夜にまとめて熟睡しよう」というプレッシャー自体が、眠れないことを悩みとしてとらえてしまう、大きな原因になっているのかもしれません。

さらに最近では驚くべきことに、「8時間睡眠が健康というのは医学的な根拠はない」といわれています。

睡眠は人の感情と同じように、さまざまな表情をもっています。あなたが笑ったり、泣いたり、怒ったりするように、眠れない時期があっても何も不思議ではありません。

あなたも睡眠を、無理に現代の常識に当てはめるコトはありません。

|3、眠りの質や長さは「起きている時の質」で決まる

人が眠れなくなる理由はとても単純です。

人はエネルギーを使い切れば自然と眠るし、回復したらしぜんと目覚めるようにできています。

たとえば、ハイキングや運動会で“心”と“体”を積極的に動かした日の夜は、ぐっすりと眠れたのを覚えていませんか?それに比べ、ある程度の年齢になると、小さなことでもあまり笑わなくなり、些細なことでも楽しむという感性を失っていきます。
あなたも、自分の感情や行動をどこかでグッとセーブしてしまうことはありませんか。心と体にエネルギーが余っている状態でベッドに入ってしまうと、眠りも浅く、熟睡することができません。

つまり、その日の眠りの質と長さは、“起きている時の質”によって大きく変わるということです。

睡眠力は年を重ねるごとに衰えていく

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睡眠の力は、年を重ねるごとに衰えていきます。

「オギャー!」と全力で泣く赤ちゃんや、運動場を全力で駆け回る子供たちに比べ、大人になるとエネルギーの使用量がグッと落ちます。8時間睡眠が理想と言われていますが、人によっては4時間で十分回復できてしまうこともあります。(芸能人で云うとさんまさんですかね)その場合は、無理に眠ろうとする必要はありません。

|4、眠れない時期こそ大切なタイミング

ここまでで、2つの事が分かりました。

1:眠れないのは特別な病気ではないコト。
2:眠れないのは、日中に心と体のエネルギーを使い切れていないため。

ではこれから、どうしたらいいのでしょうか?

最近の研究では、“不眠症はうつな気分を晴らすためにおこる”という説が出てきているようです。これが本当なら、あなたが眠れないのは、落ちた気分を上げるためであって、その落ちた気分こそが、心と体の働きをセーブさせているのかもしれません。

最近、人生・仕事・家庭・将来のことなど、納得できずにいることはありませんか。

眠れないときこそ、それらを振り返るための大切なキッカケになるはずです。
あなたの不眠症はあなたに何を教えてくれているのかもしれません。

あなたの体は睡眠不足に対応する「柔軟性」をもっています

眠れない時期があってもいいと言うと、「ふざけるな!」と反論されるかもしれません。そのままだと病気の心配もありますよね。

でも、人間の体はそんなにやわじゃありません。1980年にシカゴ大学にて、「ラットをまったく眠らせないとどうなるのか」を観察した調査がありました。

「その結果、2週間目にはラットの毛が抜け始め、腫瘍が確認されるようになりました。食事の量は増えているのに、体重は減る一方で、しだいに体温調節がきかなくなっていき、体温を維持するためにゲージの中でまるまってすごすようになりました。

そのまま3〜4週間続けたところ、免疫に異常がみられ、感染症にかかったラットは次々と死んでしまったそうです。

しかし、死に至るまえに睡眠をとることで、完全に健康を回復できる事もわかっています。」

 

つまり、睡眠は絶対に必要なものではあるけれど、あるていどの睡眠不足までなら体はそれに耐えうる「柔軟性」や「回復力」をもっているということです。

これはあくまでも、“全く眠らなかった場合”です。1〜2時間でも眠れているのなら融通はきくでしょうし、それだけ眠らなかったら、いくらダメだと言われても、かってに眠くなるはずです。

それこそ不眠症の改善につながるかもしれません。

|5、眠れない夜から脱出するための3つの心得

眠れない時の具体的な対処法として、3つのポイントがあります。この3つのポイントを実践することで、薬も、快眠グッズもつかわずに、不眠症の根本的な改善を期待できるでしょう。

POINT-1:眠れない時は眠らない

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眠れないときはベッドに入らないという『睡眠制限法』があります。

つまり、眠くなるまでベッドには入らずに、“あえて起きている”という選択をする方法です。長い暗闇の中、ベッドに引きこもる時間がなくなるので、精神的な苦痛を和らげることができます。たとえ朝まで眠れなかったとしても、その眠気を利用して次の日にはグッスリと眠れるかもしれません。

この時間に仕事をするときは、キャンドルや間接照明を使って目に刺激を与えないようにしましょう。

POINT-2:日中は「脳」と「体」を積極的につかう

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人はエネルギーを使い切ったときにしぜんと眠り、回復したときにしぜんと目覚めるようにできています。

少し極端ですが、事務仕事をしながら鉄アレーで体を動かすのもいいでしょう。
(変な人と思われる・・・?)

人は心と体のエネルギーを使い切った時、何も悩む事なくぐっすりと眠ることができます。苦手な仕事でも、こなせないほどの仕事が降り掛かってきても、気合をいれて頑張ってみてください。

きっとその日の夜は、いつもの眠りとの違いに気付けるはずです。

POINT-3:「睡眠薬」には頼らない

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眠れないことが辛くなり、病院へ行くべきか悩んではいませんか?

多くの場合、医師は「最近の睡眠薬は適切に使用すれば安全だ」といいます。しかしその一方で、気軽にはじめた睡眠薬から何年たっても抜け出せずに悩んでいる人は少なくありません。

今では最大で7~14日間の処方に限ることが推奨されていますが、それでも睡眠薬服用者の30~45%が依存してしまうほど、多くの人がその副作用に苦しんでいます。

|6、不眠症は心と体を見直す大切なキッカケ

眠れない時にこそ、否定せずに、あなたの毎日を振り返ってみませんか。その答えの中に、あなたの眠れない理由が隠されているはずです。

そして、眠れない時期があることは何も不思議ではないと心得て、重いプレッシャーから自分を解放してください。